犬が認知症予防に!?

犬は人間の友達であり、人間も犬の友達です!

犬を飼うことによって人間にも様々なメリットがありますが、今回はその中でも認知症の予防について取り上げたいと思います。
2023年10月、東京都健康長寿医療センターからイヌを飼っている高齢者は、飼っていない人と比べて認知症を発症するリスクが40%低くなっていたとする研究結果が発表されました。

2016年に東京都A区での疫学調査に応答した11,194名の調査データを使用しました。研究対象者の平均年齢は74.2歳、女性の割合は51.5%でした。本研究対象集団における犬の飼育率は8.6%、猫の飼育率は6.3%で、2020年までの介護保険情報に基づく要介護認知症の新規発症率は5.0%でした。犬の飼育者と猫の飼育者のそれぞれの社会医学的特徴から傾向スコアを算出し、逆確率重み付け回帰分析によりペット飼育者の認知症発症リスクを調べた結果、犬非飼育者に対する飼育群の認知症発症オッズ比は0.60、猫非飼育者に対する飼育群のオッズ比は0.98でした。

引用:東京都健康長寿医療センター

また、日本だけでなくここ数年犬に関する論文の数が増えており、犬が認知症の予防になるという論文は他の国でも発表があります。

犬を飼うことが認知症の予防になると考えられる主な理由を以下にまとめました!

運動の促進

犬を飼うことで、飼い主は定期的に犬の散歩に出かけることになります。
これにより、日常的な身体活動が増え、身体的な活動は脳への血流を促進し、脳の健康を維持します。
定期的な運動が認知症のリスクを低減し、特に軽い運動でも継続的に行うことで、脳の健康を維持しやすくなります。

コミュニケーションの増加

犬を散歩させることで、飼い主は自然と他の犬の飼い主や近所の人々と交流する機会が増えます。
愛情をもって育てた犬は他の人からも可愛がって貰えるのではないでしょうか。
社会的な交流は、認知機能の維持にとって非常に重要です。
孤立感や孤独感は認知症のリスクを高める要因の一つですが、犬を飼うことでそのリスクを軽減することができます。犬を通じた社会的なつながりは、特に高齢者にとって有益です。

ストレスの軽減

犬との触れ合いは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑え、リラクゼーションを促進する効果があります。
ストレスは脳に悪影響を及ぼし、長期間にわたって高いストレス状態が続くと、認知症のリスクが増大します。
犬と触れ合うことで心が安定し、ストレスが軽減されるため、認知機能が保たれやすくなるのです。

ルーチンと責任感の維持

犬の世話をすることは、日々の生活において規則的なルーチンを提供します。
規則的な生活リズムは、脳の健康維持に役立ちます。
また、犬の世話をすることで責任感が生まれ、その感覚が心身の活性化につながります。
特に高齢者にとって、何かを世話するという行為は、自尊心を保ち、精神的な健康を維持するために重要です。

アニマルセラピー

アニマルセラピーと呼ばれる動物を用いた治療法も注目されています。
特に認知症患者に対して犬を使ったセラピーを行うことで、症状の進行を遅らせたり、情緒の安定を図る効果が期待されています。
犬と過ごすことで、患者の表情が明るくなり、コミュニケーションが活発になる例も多く報告されているようです。

注意点

犬を飼うことには責任が伴います。
特に高齢者が犬を飼う場合、犬の世話が負担にならないように注意する必要があります。
散歩や食事の管理など、日常的な世話ができるかどうかを考慮することが重要です。
また、犬の性格やエネルギーレベルが飼い主の生活スタイルに合っているかを確認することも大切です。

最後に

犬を飼うことは、この他にも人間にとってたくさんのメリットがあります。
ただ、命を扱う以上責任が伴います。
犬を最後まで愛情を持って育てられるか、飼育する場合はご検討ください。
ご家族とも相談し、人間と犬の両方が幸せになれるようにお考えいただければと思います。

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