人間が大丈夫でも、犬が食べられない食品はたくさんあります。
以下、全てではないですが特に気を付けるべきと思う食品をまとめました!
食べてしまったら動物病院に早急に連絡しましょう。
1. チョコレート
チョコレートの主成分であるカカオには「テオブロミン」と「カフェイン」という物質が含まれており、これらは犬の代謝に問題を引き起こします。
犬は人間に比べてこれらの物質を分解する能力が低いため、体内に蓄積されやすく、毒性が高まります。
- テオブロミンの影響:テオブロミンは犬の中枢神経系や心臓、腎臓に影響を与えます。摂取量が多い場合、嘔吐、下痢、震え、不整脈、痙攣、さらには昏睡状態に至ることがあります。体重1kgあたり100~200mgのテオブロミンが致死量とされています。
- カフェインの影響:カフェインもまた、犬の神経系を刺激し、興奮状態、不整脈、震えなどを引き起こします。これにより、犬は過剰な興奮状態に陥り、重大な健康リスクにさらされます。
2. ブドウとレーズン
摂取すると急性腎不全を引き起こす可能性がありますが、その正確なメカニズムは未だに解明されていません。
農薬、カビ毒、未知の成分等が考えられてはいます。
少量でも駄目な犬や、たくさん食べても平気な犬もいるようです。
- 腎不全:ブドウやレーズンの摂取後、犬は数時間以内に嘔吐や下痢、食欲不振、倦怠感を示し、急性腎不全へと進行することがあります。
腎臓が正常に機能しなくなるため、尿の生成が停止し、最終的に命に関わる状態に至ることがあります。
3. 玉ねぎ、長ネギ、にんにく、ニラ、ノビル、ラッキョウ
玉ねぎや長ネギ等には「有機チオ硫酸化合物」が含まれており、犬に摂取させると溶血性貧血を引き起こします。
この状態では、赤血球が破壊されるため、酸素の供給が不足し、全身に様々な影響が及びます。
- 溶血性貧血:チオスルフィネートは、犬の赤血球に損傷を与え、これが破壊されることで、酸素の供給が不足します。貧血状態が進行すると、虚弱、黄疸、呼吸困難などの症状が現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。
- 症状の遅れ:玉ねぎやにんにくの摂取後、すぐに症状が現れることは少なく、数日かけて徐々に悪化することがあります。このため、早期発見と治療が必要です。
4. アルコール
非常に有害であり、少量でも中毒を引き起こす可能性があります。
犬の体はアルコールを効率的に分解することができず、神経系や肝臓に深刻な影響を与えます。
- 中枢神経への影響:アルコールは犬の中枢神経を抑制し、意識混濁、昏睡、さらには死に至ることがあります。
また、呼吸困難や心不全のリスクも高まります。少量のアルコールでも命に関わる危険があるため、特に注意が必要です。
5. カフェイン
カフェインはコーヒーや紅茶、エナジードリンクに含まれており、犬にとっては中毒を引き起こす危険があります。
犬はカフェインを分解する能力が非常に低いため、少量でも摂取すると中毒症状を引き起こします。
- 中枢神経の過剰刺激:カフェインは犬の中枢神経を過剰に刺激し、興奮、不整脈、痙攣、震えなどを引き起こします。
また、摂取後数時間以内に呼吸困難や心拍数の増加が見られ、最悪の場合は命に関わる状態に至ることがあります。
6. キシリトール
キシリトールは、人工甘味料としてガムやキャンディなどに広く使用されていますが、犬にとっては極めて有害です。
キシリトールの摂取により、犬の血糖値が急激に低下し、重篤な症状を引き起こします。
- 低血糖症:キシリトールを摂取すると、犬の体内で急激にインスリンが分泌され、血糖値が急降下します。
これにより、無気力、痙攣、意識不明、さらには死に至ることがあります。 - 肝不全:大量のキシリトール摂取は、低血糖症だけでなく、肝臓にも重大なダメージを与え、肝不全を引き起こすことがあります。
7. アボカド
アボカドには「ペルシン」という成分が含まれています。
ペルシンは、犬の消化器系や呼吸器系に問題を引き起こし、命に関わることもあります。
- 消化器系と呼吸器系の影響:ペルシンを含むアボカドの摂取により、犬は嘔吐、下痢、呼吸困難、さらには心不全を引き起こすことがあります。
アボカドの果実自体は少量であれば影響が少ないこともありますが、皮や種には特に注意が必要です。
8. マカダミアナッツ
マカダミアナッツは、犬にとって摂取すると中毒を引き起こすことがあります。
その正確なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、少量でも有害です。
(アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツなどは少量食べる分としては基本的には毒性がないとされていますが、炎症が起こる可能性も少数意見ですが指摘されており高脂質のため避けるのが無難です)
- 神経と筋肉への影響:マカダミアナッツを摂取した犬は、無気力、震え、歩行困難、嘔吐などの症状を示すことがあります。最終的には体温の上昇や筋肉の硬直が起こり、命に関わる状態に陥ることもあります。
9. 生のパン生地(発酵中)
発酵が進むことでガスが発生し、胃腸を膨張させることがあります。
また、発酵によって生成されるエタノールがアルコール中毒を引き起こします。
- 症状:腹部膨張、嘔吐、昏睡。
10. 青いトマトとじゃがいも(未熟なもの)
ソラニンという毒素が含まれており、犬に害を及ぼします。
- 症状:下痢、嘔吐、震え、麻痺。
11. 乳製品(ラクトース不耐症の犬に対して)
犬は乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が不足していることが多く、乳製品を消化しにくいです。
- 症状:下痢、ガス、腹痛。
12. 生の卵
生卵にはアビジンという酵素が含まれており、これがビタミンB群(ビオチン)の吸収を阻害します。
また、サルモネラ菌のリスクもあります。
- 症状:ビタミンB欠乏症、皮膚トラブル、食欲不振。
13. 骨(特に鶏骨)
加熱された骨が割れやすく、犬の消化管を傷つける可能性があります。
- 症状:消化管の閉塞、内出血、窒息。
その他. 植物
食品以外にも、下記の植物は下痢・嘔吐・中枢神経麻痺・血圧低下の症状等が起こります。
ツツジ科全般(葉・花)
ユリ科全般
アサガオの種子
アジサイの葉・つぼみ
スイセンの球根
アロエの内部乳液部分